織りや染めに限らずラオスのあれこれを紹介していくこちらのコラム。今回はラオスの食文化についてお届けしたいと思います。
ラオスの主食って何?
日本の主食は?と聞かれると米!と即答ですが、ラオスの主食は「カオニャオ」です。このかわいらしい響きの「カオニャオ」とは、実はもち米のこと。もち米をラオス語でカオニャオと言います。日本ではあまり耳にすることがないと思いますが、ラオスにも米文化があるんです。さらには、もち米のほかにいわゆる普通米もあります。普通米と言っても日本のそれとはちょっと違っていて、その多くがタイ米に近いもの。人によってはもち米と同じくらいもしくはそれ以上に普通米を食べる人もいます。いずれにしてもお米が主食というだけで、私たちと近いものを感じますよね。
日本とは違うお米の食べ方
日本と同じお米文化のラオスですが、普通米(ラオスではタイ米)の食べ方は同じ。お鍋もしくは炊飯器(お隣タイからの輸入)で炊き、おかずやスープと一緒に食べます。ご飯の上におかずが乗っていることも多いです。
一方で、もち米は食べ方が異なります。日本だともち米はお餅をつくときや炊き込みご飯に使うイメージが大きいのではないでしょうか。ラオスでは普通米と同じように白いまま食べるんです。竹籠に入ったもち米を片手で一握り取り、その自分の手の中からもう一方の手で一口分を取って食べていきます。例えば右利きの場合だと、左手に一握り取って右手で一口ずつ口に入れていく、といった食べ方です。右手で取った一口分のもち米におかずにつけたり、特製激辛ソースにつけたりして食べることが多く、何もつけずにもち米だけをパクパク食べていると、「何も(ソース)をつけないの?」と不思議がられます(笑)。この食べ方が意外と難しくて、最初のうちは上手く食べられずに苦戦。ラオス人が笑いながらお作法を教えてくれました。
ティップカオの中から一握りもち米を取る
もち米はどの家でも朝一で蒸し上げます。もち米専用の竹の蒸し器を使って蒸したあとは、「ティップカオ」と呼ばれる、こちらももち米専用の竹籠に入れます。蓋をして保存しておき、朝昼夜とその日のもち米はその籠の中から食べます。昔忙しいお母さんが毎食もち米を蒸さなくてもいいようにと根付いた文化なのかなぁと思っています。
朝一で蒸すカオニャオ
肝心のお味の方は…
主食がお米だと話すと、よく「日本と同じ米?」、「えー美味しいの?」なんて聞かれますが、ちゃんと美味しいです!特にカオニャオ(もち米)は日本に負けず劣らず美味しいですよ。普通米に関しては、やはり慣れ親しんだ日本の最高に美味しい白米には敵いません(笑)。日本のお米と比べると、やっぱりパサパサして感じるので正直言うと炊き方次第では美味しくないことも…(笑)。ちなみに自分で炊くときには普通米ともち米をブレンドして炊きます。そうすると、少しだけ日本のお米に近づくので結構美味しく食べられるんです。普通米は自分で炊くに限りますが(笑)、もち米はラオス人に蒸してもらうものが一番。ラオスのカオニャオはぜひ一度は試していただきたい食文化です。
今回はラオスの主食のお米についてご紹介しました。「カオニャオ」、その響きから訳もなく口にしたくなるワードですよね(笑)。美味しいラオス料理がたくさんあるので、今後も少しずつご紹介していきます。ぜひラオス気分を味わってください。