みなさん、こんにちは。6月に入り日本は梅雨入りの時期、いかがお過ごしですか。ラオスもそろそろ雨季かなぁという時期になってきました。そして毎年雨季に入る前は決まって結婚式ラッシュ。これはお坊さんが修業に入る「カオパンサー」というイベントと関連があるのですがそれは今度またご紹介するとして、先日元同僚の結婚式に招待されたので今回はラオスの結婚式をご紹介します。
元同僚のハチちゃんと旦那さん
ラオスのながーい結婚式
ラオスの結婚式、とにかく長いのです!約3日間(もしくはそれ以上)に渡って行われます。大きくは初日の家族での伝統儀式と2日目の披露宴の二つにわかれるのですが、だいたい3日目以降も宴会は続きます。長いのはこの日数の長さだけでなく一つ一つのイベントの時間も長い!ラオス人はとにかくお祝いごとが大好き。仕事や用事なんてそっちのけで、ひたすら食べて飲んで騒いで過ごします。
ラオスの伝統儀式「バーシー」
初日は新婦の家で親族が集まって「バーシー」と呼ばれるラオスの伝統的な儀式が行われます。ラオスでは新婦の家に新郎が嫁ぐ、いわゆる婿入りが昔からのしきたり。伝統衣装に身を包んだ新郎が傘をさして歩いて新婦の家へと向かいます。最近では結婚式だけ伝統的な婿入りスタイルをとり、実際には新婦が新郎の家で暮らすことも多いそうですよ。
新郎が到着すると、バナナの葉とマリーゴールドの花で作られた「パークワン」という飾りをみんなで囲み、祈祷師が祈りを唱えます。祈りを唱えるあいだは糸をみんなで手にとり、後方で糸を触れない人は、糸を触っている人の身体に手を添えます。これはみんなの魂をつなげるためだそうです。祈祷師の祈りが終わると、参列者が「幸せが訪れますように」と唱えながら新郎新婦や参列者の腕に糸を結びます。たくさん巻かれるこの糸は少なくとも3日は外してはいけないと言われています。
バーシーの様子
寝室での記念撮影と道端での宴会!
バーシーが終わると、派手にデコレーションされた寝室で写真撮影大会です。寝室で写真撮影って、日本人の私たちからしたら不思議でたまりませんよね(笑)。写真撮影は新郎新婦と希望者だけなので、他の参列者は家の外に設置された宴会場で参列者がご飯を食べたりお酒を飲んだり。家の外と言っても庭ではなく路上で行われます。そのため結婚式のときはその家の前の道が封鎖されるのです。もちろん車やバイクは通れません。この道を通りたい人は回り道をするしかないのですが、一本しかない道はどうしているんだろうと思わずにはいられません(笑)。
道端で開催される宴会
2日目の披露宴の招待状
だいたいお呼ばれすることが多いのは2日目の披露宴。招待状を受け取るタイミングは様々です。前もってお招きされることもあれば、前日にお誘いを受けることも。「予定なければ来てねー」といった感じです。招待状に記載事項は基本的には日本と同じ。一点だけ大きく違うのが、招待状にポケットがついていることです。このポケットにご祝儀を入れて持っていくシステム。最近のはQRコードが付いていて直接口座に払えるようになっています。
ご祝儀袋を準備する必要がなくてとても画期的だと、初めて見たときには感心しました。ご祝儀の金額、日本だと親族か友人、同僚という関係性である程度決まっていますが、ラオスでは特に決まりはありません。1,000円だけ包むことが多く、気軽に参加出来ます。
1時間遅れで始まる披露宴
今回お呼ばれした披露宴は夜7時半スタート。この披露宴は道端ではなくきちんとした披露宴専用の会場で行われます。まず会場に入ると投票箱のようなご祝儀回収BOXが置いてあるので、そこに先ほどのご祝儀を入れた招待状を投函。
ラオスの結婚式、気をつけなければいけないのは時間通りに行かないこと(笑)。招待状に記載されている時間に行っても親族しかおらず、気まずくなります…。招待客は30分〜1時間程度遅れて来ることがほとんど。そして招待客の数の多さもラオスの特徴で、なんと300人以上。席は指定されていないので、例えば友人と待ち合わせしても合流するのが本当に大変です…!招待状1枚につき2人まで参加可能のシステムで(特にチェックはされないのですが)、大抵の人はパートナーや友人などの同行者を連れて行きます。
開始時間30分後の会場の様子(「早く来すぎた…!」と後悔します笑)
さて、1時間後にやっと始まりました。1テーブル10人程度で座り、用意されているラオス料理を食べたり、ビールを飲んだり。新郎新婦の入場が始まっても各テーブルのお喋りは続き、とにかく自由。新郎新婦が各テーブルに回ってきてくれるのですが、これだけ招待客が多いので自分のテーブルに回ってきてくれるのをひたすら待つのみです…(笑)。
テーブルで記念撮影をする同僚たち
誰よりも美しく華やかに!参列者の衣装
結婚式に着ていく正装は、女性は以前ご紹介したスアとシン(毎日着る伝統衣装?ラオスの「シン」とは)。男性は襟付きシャツにロングパンツ。女性はこの日みんな全身シルクの一張羅を着ます。衣装も髪型も化粧も思いっきり着飾って、花嫁より目立つこともなんのその。色のマナーも特になく、いかに自分が美しいかを見せる場と言っても過言ではありません。会場全体がとっても華やかです。
会場入口では写真撮影が行われます
自由参加のダンスタイム
気付けばいつの間にかプロによる歌が流れ始め、会場の前方はダンスフロアになっています。参列者は自由参加。新郎新婦が踊る曲もあれば、女性だけのダンス曲、男女で踊るダンス曲といろいろあって、踊っても楽しい、見ても楽しい時間です(ラオス人は見ることには興味ないようです笑)。
閉会の挨拶はなし?自由なお開き
参加時間も自由であれば、帰る時間も自由なのがラオス式。7時から始まり(実質8時からですが)、軽く夜中の12時を超えるまでみんな飲んでいるので、大半の人は途中で帰ります。しかも「ごめんね、帰るねー」と新郎新婦に断ることもなく、堂々と。最後の最後までいたことがないので、閉会の挨拶のようなものがあるのかは未知なのですが、ここも自由なラオスらしい文化だなと思うところです。酔っ払いのラオス人との飲み比べに伝統的なダンス、写真撮影大会とラオスの文化を堪能した後は、いつもどっぷりと疲れているのでした(笑)。
伝統を重んじながらもとても自由なラオスの結婚式、いかがでしたか。雨季に入る前のこの時期は毎日どこかで結婚式が行われています。ジューンブライドという言葉はラオスでは聞いたことがないのですが、時期的には同じくらいでなんだか親近感を覚えますよね。ラオスで道端の結婚式を見かけた際にはぜひ覗いてみてください。みんなとってもウェルカムなので、もしかしたらそのまま参列することになるかも?!
※写真は一部友人から拝借しています。