ラオスの正月は4月!今年は2565年?


サバイディーピーマイ!

ラオス語で、「あけましておめでとう」を意味します。

ラオスは先週413日から16日にかけてお正月でした。日本の正月といえば11日。4月に正月と聞くとなんだかイメージが湧きませんよね。ラオスではどんなふうに正月を楽しむのでしょう。ぜひ一緒に楽しんでいってください。

 

東南アジア仏教国の正月

ラオスでは正月のことを「ピーマイラオ」と呼びます。直訳すると、「ピー」が年、「マイ」が新しいという意味です。今年は西暦2022年。ラオスではこの西暦ともう一つ、仏暦でお祝いします。仏暦とはブッダの没年である仏滅を基準とする暦法。東南アジアの仏教国で採用されています。ブッダの没年を0年としてカウントされ、今年は仏暦2565年。街中やSNS上には「サバイディーピーマイ!20222565」という文字が見られます。

東南アジアのメコン川沿いの仏教国では毎年4月の中旬あたりに正月を祝います。ラオスの他にはタイ、カンボジア、ミャンマーが同じ。その日程は毎年少しだけずれることもありますが、だいたい415日前後です。

正月のこの時期は、仕事も学校もすべてがお休み。国中がお祝いモードです。正月が始まる前からすっかり仕事をしなくなる人もあちらこちらに…(笑)。

 

正月の水掛け祭り

近所で水掛けを楽しむ子どもと大人

実は4月は1年で最も暑くなる時期。気温が40度を超えることも。そんな猛暑の正月の一番の楽しみは「水掛け祭り」です。街中では家族に友達に、通りすがりの知らない人に、ばしゃばしゃと水の掛け合いが行われます。街をちょっとでも歩くと、四方八方から水が。水鉄砲で狙われたり、バケツでどっぷりかけられたり(笑)。この日は無礼講。村の長老や職場の上司、両親やお坊さん、あらゆる人に水をかけてもいいのです。子どもたちだけでなく大人も大はしゃぎ。

この水掛け祭りには旧年の汚れ、つまり悪いことを洗い流し、新年の幸せを願う意味が込められています。実はただの無礼講ではなく、旧年中にあったかもしれない失礼な言動をお詫びし、今年も教えを乞う姿勢を示すことだと言われています。

 

象が3日かけてやってくる、華やかなパレード

街を練り歩くラオスの象と象使い

世界遺産に登録されているラオスの古都ルアンパバーンの新年は、ラオスの中で最も盛り上がりを見せます。一番の見所は華やかなパレード。お坊さんや象、コンテストで選ばれた美女たちが世界遺産の街を練り歩きます。このパレードを歩く象は、象で有名な隣のサイニャブリー県から森の中を3日間歩いてやってきます。パレードの朝には街にピッタリ到着。地元の人たちは近くまで寄ってバナナやサトウキビをあげています(警備の人や象使いに止められます。危ないので真似しないでくださいね)。

さらに、ラオスの創造神「プーニューニャーニュー」もパレードに参加します。プーニューニャーニューとは人類の祖先と言われる町の守護霊。日本のなまはげのようなものでしょうか。一年に一回正月にしか姿を現さないとてもレアな神様です。もちろんこのパレードに参加している人たちにも水かけOKです!

プーニューニャーニュー。夫婦なので二人で一つ。

 

仏像のお清めと美しい伝統衣装

お寺に安置されている仏像

この時期、ラオスの人々は正装でお寺へ向かいます。寺に安置されている仏像を洗って清めるためです。水掛け祭りと同じで一年間の汚れを洗い流し、新年の幸せを願います。寺には仏像を清めるための水と花、ろうそくを持った人々の行列が出来ます。そのときの伝統衣装に身を包んだラオス女性の美しさときたら、もう。きらびやかでうっとり見とれてしまいます。若い女性から年配の女性まで、持っているシン(シンって何?という方はこちらから)の中で最高の一枚を着て、「スア」と呼ばれるトップス、「パービアン」と呼ばれる肩掛け布を纏い、メイクとヘアをばっちり決めてきます。お寺の前では撮影大会が行われますよ。とっても珍しい織物に出会えるのも楽しみの一つです。

美しい伝統衣装を纏う女性たち

また、お寺のお坊さんはこの時期は壁や屋根を塗り直したり、仏像を出す準備をしたりと大忙し。ラオス正月のちょっと前にお寺を訪れると、そんなお坊さんたちの珍しい姿を見ることが出来ますよ。

この数年はコロナの影響もあり、自粛されている(はずの)ラオスのピーマイ。ひっそりと行われるイベントは観光客が少ないと盛り上がりに欠けるのですが、「実は今年とっても久々にパレードを見に来たのよ」というラオス人も。いつの間にか観光客が楽しむためのイベントとなっていたのですね。ここ最近は地元の人たちが楽しめるイベントになってよかったです。それでもいつかはみなさんにラオスのピーマイに来ていただきたいなぁと願っています。